tripした世界は
雨の匂いに包まれていて
足の裏に感じた大地の安心感に
泣きそうになった。
水面に昇ってゆく
泡沫を追うように
見上げた空には
形の歪な7つの月が浮んでいて、
玉虫色に世界を彩り
何か高密度な感情を
吸い込もうとしている。
十字架の下で交わされた
約束を破ってしまった僕は
逃げ続けなければという
焦燥に取り憑かれ
いかにもなロジックの影に
隠れて怯えていた。
求めては裏切られ
裏切られては傷つけ合う
臆病な愛に少し疲れた。
何もかも忘れて宙になりたい。
刹那的な絶望と希望。
バランスのとれたアンバランス。
そうして終わる
ひとつの世界。