donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
やはり 失われた時代だったのだろう。 上質な行間を持つ文化が埋もれていき、 上っ面だけのしりとりのような言葉だけが 街のショーウィンドウには飾られていた。 なんとなく、それに気づいた 豚の丸焼きのよう ...
目を瞑る。 呼吸を整え 切っ先を喉元に定める。 息遣いを読みとって 間合いをつめる。
厚み1/2。 バックスピンをかけた手球が おこすアクション。 渇いた音が響き。 90°に滑って、落ちる。 No.9。 今夜は俺の勝ち。 あいつの奢りで呑む モスコミュールの美味さったらないね。
満月の 蒼白い光の夜に 時折り、 悲しみが波のように押し寄せる。 遠い… 潮騒が聞こえる。 すこし広くなった部屋。 めぐる季節。
ぼんやりと空を見上げる。 ぼんやりと胸に手を当てる。 空は動いている。 僕は動いている。 空と僕がつながる。
僕の知らない何処かの街で あなたがたくさんの人に 愛し愛されて生きていることを。。。 そんなことを想像して、祈って。。。 またはじまる新しい朝。 すべての可能性を秘めながらも。 オートマチックに。無機 ...
「あの少年(こ)は大丈夫。 あの少年(こ)は てもちのバケツに気づいてる。 それを信じていられる間は強い。 今はなんの手助けもいらない。 また何処かで会えるような気がする。」
彼は、ときの〝支配者〟に云った。 「あなたはわたしを激しく憎んでいる。 もう、それは魔法にかかっているんです。 或いは、あなたは、手が滑って、わたしを殺(あや)めてしまうかもしれない。 でも、〝わたし ...
「文章ばっかり捏ねくりまわさないで。 もう少し、ちゃんと働いて稼いでね。 おれを野良ジョーンズにするなよ。 歌って食ってく自信ないから。」 R2は肉球を舐めた。
独り乗り用の一艇の舟が 水の上に浮かんでいるとします。 その舟には決定的な〝穴〟があって。 どんどん水が入ってきて。 たぶん、沈んでしまう。 僕は〝運悪く〟そんな舟に乗っていて。 〝運良く〟その手には ...