donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
空が何かを囁いていた。 僕にはそれを感じる能力が欠けていて。 ただ、ぽつねんと。仰ぎ見ていた。 空が何かを囁いていた。 それはとても大切なことなのかもしれない。 空が何かを囁いていた。 僕にだけ届かな ...
明けない夜もたぶん もう普通になっていて、 そんな世界でも 届くか、届かないか、 そんな小さな星明かりを、ちゃんと 見つけられるようになってきた。 慣れることは、悪いこと? タフになったと言ってもいい ...
TRY & ERROR その蓄積だけが 本当にちいさな糸口になって、 次へのドアを開けることだってある。 そういうことの方が多い気がする。 どんなに曲がりくねった道であれ…。 どんな結果に辿り着こうが ...
国道を行き交うクルマのタイヤが 水飛沫(みずしぶき)を巻き上げて、 通りすぎていく。 僕はこれと言って目的も無く、 ぼんやりと歩道を歩いていた。 目の前の、ちいさな水溜りの平穏を 跳ね上げられた水飛沫 ...
たとえ神様が 「ウッソぴょ~ん。」って言って、 何もかもなかったことに、 なったとしても、 僕は君の温度を忘れない。 忘れたくない。
9月の霞空の向こうに いつもと違う色の太陽があった。 気の早い金木犀の香りが漂って、 なにか透明で神聖な空気が肺に入ってきた。
勝ち、負け、あいこ。 そう言われるかもしれない。 でも、ちゃんと、 チョキにはグーが必要で。 グーにはパーが必要で。 パーにはチョキが必要で。 矛盾しているかもしれないけど、 たぶん、この世で一番、 ...
…忘れていた…。 逆再生の映像みたいに 地面に叩きつけられた雨粒が 空へと還っていく。 水の形(かたち)。 …ふわり。 浮かび上がる。 たかい、たかい空の、あの虹の もっと、もっと奥の、その向こう側。 ...
開かれた世界へ。 目覚めていく感覚。 隅々にまで。繊細に。 広がる動脈。 集まる静脈。 巡る。入れ替わる。血液。 嗚呼。生きている。
雨の部屋。 窓辺でR2と一緒に 窓の外を見つめた。 Mrs. GREEN APPLEの『クダリ』が エンドレスで流れている。 すこし涙ぐんだ僕を R2がじっと覗き込んだ。 〝ミンナヤサシイ〟。 そして ...