donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
己れの愚かさを恥じて。 黙り込むことの〝逃げ〟を 許し合って。 うまく齢(よわい)を重ねていく。
僕はその日。 なにかを背負うことをやめた。 「あなたの存在はこの街の弱み。」 彼女は鏡を見つめて、髪を纏めた。 「なんでさっさと消してしまわなかったんだろう。」
不可抗力だとしても。 激辛の七味せんべいを 海辺のハトに与えないこと。
〝決めてしまったひと〟の強さも、弱さも。
その日。 彼女は鼻頭にできた 彼女いわく〝めんちょ〟というものを ひどく気にしていた。 顔の中心にできる〝めんちょ〟は 命に関わると。 ごめん。 僕は妙に深刻そうなきみを見て、 密かに、かわいいなと ...
筆触分割。 それは〝人生〟という一枚の絵画の 絶妙な光(あかるさ・新鮮さ・ViViDさ)だった。 神様の配色。 虹色の、世界の、存在の輪郭。 (混ぜ過ぎると白くなったり、暗くなったりするのだ。) なん ...
あの頃。 リップスティックを塗る 彼女の艶やかな唇と仕草に 妙にドキドキしていた。
筆触分割という絵画の手法を知って。 世界の視(み)え方、捉え方がすこし変わった。 神様の配色(色の配置)。 すべてはすべてに通ずる。 もっと色々な、面白いことを知りたい。 いろいろな真理を感じたい。
巨大な影を引き摺って。 孤独な。時代の道化が その舌の根も乾かぬ内に 捲(まく)し立てる戯言(ざれごと)。
僕の〝本当〟は あなたを抱きしめ あなたに抱きしめられた。 あのときだけ。