donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
心の臓にガラスの薔薇が咲いた。 鮮血を吸った真っ赤な、深紅の薔薇だ。
水面(みなも)に揺れる。 逆さまの世界。
薄墨の雲の絨毯。 三日月の伴奏で。 星座たちが踊るワルツ。
景色が波紋の様に揺らいでいった。
その素晴らしい景色の 数ピクセルかは、バグっていたとして。
洋服に引っ付いた種子(たね)を 僕は迷惑そうに払っていた。 いい。 雑草なんて植物はないわよ。 みんな。それぞれの生命を 一所懸命に生きているの。 それだけは。 忘れないで。
二人で。 影絵をして遊んだ あの夜。
薄墨色の星のない曇り空に。 重力を無視した雨粒が 中空で跳ね回り、踊り出した。
よく二人。 座り込んだラグの真ん中は へたり込んでいて。 それは。なにか。 思い出の形をしていた。
単純で単細胞な僕は。あの頃。 きっと彼女を苦しめてばかりいたのだろう。