donkihote

雨の匂いは甘い。

〝二度と戻れない場所〟を思って。 涙が溢れた。

それは正しいことだったのだろうか。 そんな世界を激しく拒絶していたのは。 なんのチカラもなく。 ただ。投げやりな。頑なな。 〝覚悟〟と呼ぶのも憚られる。 後先も考えない。 祈りのような。怒りのような。 ...

どんな言い訳をしても。 ダメだった。 こころが パサパサの カラカラだった。

手の甲を雫が伝った。

手に負えない〝イタミ〟に 悶えていたあの頃。

君が教えてくれた。 この空の下で。 僕は〝今〟を生きています。

花を手向ける。

あなたの炎は いつかの涙が浄火と化したもの。

私はぼんやりとしたひとになった。