donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
都会の水溜まりには 夜の街のネオンがあまりに煌々と 輝いていたので。 乾いて。笑いながら。 それなのに。 心の奥底の静かな、打ち震えるような 悲しみを思わせて。 なんか。都会の人っぽいなって。 切な苦 ...
僕は彼女と逢って変わった。 そういう出逢いって。 そんなにないし。大事だなって。 僕は運命論者じゃないし。 僕達はそれぞれ、至って〝普通〟だし。 でもね。 人生の特別な縁とか、〝あや〟って。 あるのか ...
これが僕に下された罰なのかな。 可能性なんて、いろいろあるからさぁ。 とっ散らかったままなんだ。 そして。 思い出したように時々、ひどく苦しむ。
透けた葉脈の向こう側。 一粒の水玉が揺れる。 ゆら。ゆら。ぷるり。 ゆら。ゆら。ぷるり。
一瞬。 通り過ぎた強い風が。 Tシャツの裾を引っ張る感覚に。 あの頃の君を思い出して。 苦いような。甘いような。酸っぱいような。 複雑なテイストが広がって。 僕は所在のない気分で。 頭を掻いた。
無神経で。鈍感で。 厚顔無恥で。 まあまあ。結構、ジョーブにできていた。 コワレルノナラ。 ヒトオモイニ、コワレテシマエバイインダ。 別に。未練なんか無いし。 ほんのちょっと。疲れた、かな? すこし。 ...
ぐったりと沈み込んだソファは。 子供の頃の懐かしい 夕闇の匂いがして。 浅い眠りに僕を誘い込んだ。
僕は。 殴り付けた僕を見降ろした。 若い頃に負った傷の なかなか治り切らない僕は。 歳を取れば取るほど。 めんど臭く、複雑な。 嫌な奴になっていた。
と。そこで。 男は、ささくれ立った親指の爪の皮を噛み切る仕草を何度か繰り返した。
遮二無二(しゃにむに)走ってきた。 遮二無二(しゃにむに)走ってきて。 或る日、突然。 〝今日〟の仮面が割れ、砕ける。 とめどなく流れ出る。 かりそめの、世迷いの、〝本音〟は 夢か?現(うつつ)か?