donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
tripした世界は 雨の匂いに包まれていて 足の裏に感じた大地の安心感に 泣きそうになった。 水面に昇ってゆく 泡沫を追うように 見上げた空には 形の歪な7つの月が浮んでいて、 玉虫色に世界を彩り 何 ...
わからない。 そのすべてのような気がしたし そのすべてが違うような気もした。 ただひとつ、僕はその瞬間を忘れてはいけない。 それだけは確かだった。 さくらという猫がいた。 いわくつきの名前をつけてしま ...
また昨日を脱ぎ捨てる。 裸族かって言われそうだけど また昨日を脱ぎ捨てる。 そりゃあ分かってはほしいけど 評価されたいわけじゃないし 元々あまのじゃくだし 窮屈な思いは御免である。 また昨日を脱ぎ捨て ...
頬に痣ができる。すぐ消える。 R2と心の交信。 「なんじゃこりゃあ。(松田優作の声色。)」 「痣にすら見放されたんだろ。」 「どうして?」 「器が小さかったんだろ。」 「なるほど。って、ん?」
ぐるぐると回る LP盤の上を白猫は踊った。 歪んだ時空を旅する針は、 さっきから同じ溝をなぞっている。 月明かりが照らす優しい秘密。 夜と夜の継ぎ目で花はゆっくりと色付く。 その殻を割ったのは 世界に ...
先生。 答えは一つじゃないの本当の意味を知っていますか。 いろんな哲学の人がいることを知っていますか。 彼、或いは彼女は 自分らしくあり続ける事で必死に 彼、或いは彼女の ファイティングポーズを とっ ...
両の掌で掬えるほどの 光を持て余して その身に翳る冷たい疼き。 相反する感情に 押し潰されそうになりながら 手繰り寄せたのは それもまた魂の渇き。 一縷の祈りが星空を流れる。 歪んだ時計の針に追われ ...
男がいる。 夜中の台所でゴキブリを見つける。 駆除しようとスリッパを片手に追い詰める。 そこに幼児が両手を広げ立ち塞がる。 「カブトムシ」とその子は言う。 男はそれがゴキブリだと説明し、 諭そうと試み ...
天井のモザイクを割って 溢れ出た光。 降り注ぐ生暖かい雨が 打ち震えていた身体を包む。 微熱を孕んだまま25時の恍惚。 あなたが掴んだシーツに寄った皺。 秒針が傾く永遠の6度。 砂時計のくびれた場所。 ...
やらかす子だった。 教科書の隅っこに描いた パラパラ漫画を君が笑ったから もっと壮大なものをと 広辞苑を開いた。