donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
アルテミスが星空に向けて放った矢から 滴り落ちた血よりも紅いワインを飲み干す。 優劣をつけられない残酷さを 今の時代だって持ちうる現実と 自身の鈍感さを呪う鬱屈。 あなたを想えば想うほど 脚を取られた ...
おひさまの ほほえみが届く 白い部屋で 僕はロシナンテII世と横たわり 微睡みのなかにいる。 たいせつな たいせつな あたたかい 時間。
君は君だけの座標にいるのだから、 君だけの価値もチカラも意味もあると思うよ。 ただ取り戻すだけでいい、勇気を。
空いたはずのグラスに 『恍惚』が増していく 不可思議な光景。 なんの法則性もなく、 時計の針が 逆にまわりだす。 時が遡る。 感覚が研ぎ澄まされる。 雨粒が終わりのカタチで 大地に横たわっている。 ...
孤独な月夜。 合わせ鏡の中 どれが本当の自分か? わからなくなった僕は 分裂していく自分に 激しい吐き気を覚えた。 遠去かるきれぎれの意識で 正気(あちらがわ)と狂気(こちらがわ)の とめどなく渦巻く ...
窓ガラスを朝露がつたう 嘘みたいに寒い朝。 這い出した昨夜のベッドは なにかの抜け殻のように ぬくもりに失っていく。 淹れたてのコーヒーが入ったマグを 両の手でつつんで君は、 白い息を吐いた。
一般的に 怒りも沸点を越すと 悲しい諦めや悟りになります。 たぶん、だいたい。
雲は渦巻く白波。 太陽をも飲み込んでゆく。 太陽は太陽で負けてない。 白雲の向こうで すべてを払い除けようと、 より一層白く輝く。
詩(うた)は或いは呪いだから。 詩(うた)は切実な祈りだから。
ジメジメとからりの風の変わり目。 吹き出した汗に 心地よい喉ごしのビールを呷る。 遠くで名残り惜しそうな花火の音。 R2がじゃらしを持って、 「遊べ。」と催促をしてきた。 なんでもない夜を 今という空 ...