donkihote
情緒不安定な、冴えない、ハゲたおっさん。
すこし虚言癖がある。
ロシナンテⅡ世。通称、R2。
鈍崎邦定の飼い猫。相棒。
オッドアイの白猫。
抱きしめた腕に 壊れないように 気持ちを込めた。 チカラを入れた。 君が強く抱きしめ返してくれた。 それだけでよかった。。。 それだけでよかった。
はっ、しまった。 この不自由な環境に順応してしまっている。 いかん、いかん。 こんなん僕じゃない。 絶対に。
「この子は 本当に 勾玉(まがだま)ように ころころと 表情を変えるね。」 老婆は言った。 「どれにも その正体があって、 或いは どれにも。ない。」
おいおい。坊主。 訳も分からず、 刀ぁ(カタナァ)、なんざぁ。 振り回すな。 そんな危ないもん。 怪我するぞ。コラ。 時代遅れにも程がある。
「滑稽だねぇ~。」 ピエロは床までありそうなマントを翻して、捲(まく)し立てた。 「お前等、バカか?ひっひっひっひ。 こんな、お人好しだけが取り柄の、勘違いの妄想家の童貞野郎が希代のトリックスターの ...
カンカンと 金属製の階段を降りる音がした。 素敵な音だな。と僕は思った。そのとき。
(自分に。。。) 認めているんだ。 だから、 或いは、ひどくむごいことを言う。 最後の最後の最後まであきらめるな。 そして。信じろ。 あの世で。最後に。 言ってもらいたいんだ。親父に。 「たいしたもん ...
脱ぎ捨てる。 ストリッパーのように。 視線を投げる。 猫。 ハゲた中年のおっさん。 僕。
愛してると 言ってしまった。 〝愛〟という言葉。 パンドラの箱。 溢れ出たモノは、一体? 最後まで残っていたモノは、一体?
そのときの プリズムの角度が 見えない筈の何かを照らして 頑なだった僕の気持ちを変化させた。