星空

届けられた言葉は、

届けられた言葉は、

人間の知は

ことばで形作ろうと照らせば

かならず陰をもってしまう、

そんな空しさを物語っていた。

だからといって

温度を運べばないかって言えば、

そうでもなく

それだからこそ、

僕らはうたい、議論し、

想いをぶつけ合っていた。

その日、

捨て鉢で、虚(うつろ)になっていた僕は

『愛は死』という石ころを放り投げた。

思いも寄らず広がった波紋に、

自分自身、驚き、怯え、震えた。



-星空