ここでは「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」などの、私がおすすめする書籍を3冊紹介します。
タイトルだけを見ると「難しい」という印象を抱いてしまう本もあるかもしれませんが、いずれも専門知識がなくても読むことができます。
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会社は頭から腐る-再生の修羅場で見た日本企業の課題/冨山和彦
著者の冨山和彦さんはグロービズ経営大学の客員教授であり、元・産業再生機構COO、経営共創基盤SEOでもあります。
本書では「人間の本質」に焦点を当てて、人間の生き方や姿勢が「経営」にどう影響するかを厳しい目で問い直しています。
そのため分類としては経営書ですが、「人間とは何か」について熱く語る本でもあります。よってまだ社会に出ていない中~大学生にもおすすめです。
本書には例えば
「そこで活動している生身の人間の本性に沿って、戦略や組織ができあがる」
「経営の難しさの本質の大半は、経営の有する人間的要素に還元される」
「合理と情理」
などの内容が記されています。
冨山和彦さんらしい緊張感と情熱がこめられた一冊であると言えるでしょう。
たとえば「会社経営にも『人間の情熱』が大きく影響する」「利益を出すためだけに企業が存在するわけではない」などの、「よくある良い話」を聞けば多くの人が納得するでしょう。
ですが、本書はそういった話題を徹底的に追及しており、「なんとなく聞こえの良い話、では済ませない」という執念を感じます。
素人のように考え、玄人として実行する-問題解決のメタ技術/金出武雄
金出武雄さんはロボット工学やAIなどの分野のスペシャリストです。
そして本書には、最先端テクノロジーを生み出す現場で精力的に活動する金出武雄さんが、研究者との視点から思ったり、感じたりしたことが記されています。
とはいえ一般的なビジネスマンの皆さんにとっても、得るものは大きい本だと思います。
とにかく理解しやすく、そして面白い内容です。
そのため大人はもちろん、小学校高学年くらいから無理なく読めるはずです。
ちなみにプロ棋士として有名な羽生善治さんも本書を推薦しています。
前書きには
「発想は簡単、自由、素直、単純である必要がある。しかし、知識、知っていると思う気持ちがあると、そういった発想を阻害することになる」
などといった旨の文章が記されています。
ですが、本書は「知識は発想の邪魔である」と主張しているわけではありません。
「発想を実行するには、知識と高い技術が必要である」と述べています。
本書のタイトルの通り、「素人のように発想して、玄人のように実行するべし」と言いたいのでしょう。
その他、「日本人にアイデアがないというのは誤解である」「日本の学生は、明らかに問題解決能力が低い」などの内容もあります。
余談ですが、実際にテクノロジーの分野において、知識がほとんどない人がとんでもない発想をするというケースは少なくないとされています。
人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ/ロバート・フルガム著
これは私が一番気に入っている書籍となります。
初版は1990年と比較的古いですが、人気のある書籍であるためインターネット通販などで問題なく購入することができます。
著者であるロバート・フルガムさんはバーテンダー、牧師、セールスマン、カウボーイなど様々な経験を積んでいる方です。
日本では「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」というタイトルで刊行されているこの本ですが、これは原題である「All I really need to know I learned in kindergarten」をストレートに訳しているだけです。
「タイトル自体が本書の言いたいことを全て表している」とも言える書籍ですから、このような訳し方をしたのは素晴らしいことであると感じます。
特に第1章の「わたしの生活信条」では、
・ずるをしない
・使ったものは必ずもとの場所に戻す
・人のものに手を出さない
・食事の前に手を洗う
・外出時は車に気をつける
・誰かを傷つけたら、ごめんなさいと言うこと
・毎日、少し勉強し少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと
・不思議だと思う気持ちを大事にすること
など、そのものずばり「幼稚園で保育士さんが教えそうなこと」ばかりが書かれています。
言い換えると、「誰しも常識として理解していること」でしょうか。
ですが読み進めていくと、ほとんどの人が「全てを実践できているわけではない」と気づくはずです。
実際のところいくら努力しても、本書に記されていることを全部実行するのは非常に困難だと思います。
しかし本書を読み終えたら、ご自身にできることに無理のない範囲で取り組んでいくことをおすすめします。
こんな激動の時代ですが、そうした「変化」をする人が増えれば世の中はもっと良くなりそうな気がします。
もちろん「変化」する本人も幸せになれることでしょう。
本書はいわゆる名言集・金言集に分類されるものはありませんが、だからこそ大人が読んでもハッとさせられる部分が多いです。
また、読むことによりリラックスできる人も少なくないはずです。
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