HOME > 茜空 > 茜空 テーブルの上には 2022年3月20日 テーブルの上には 黒糖飴の袋とリモコンが 無造作に置かれていた。 縁側の光、逆光線に包まれて、 本好きな彼女は、 ソファに座って、 本を読んでいる。 人間はもれなく 歳を取る生き物らしい。 横顔には白髪とシワと老眼鏡が増えたが、 昔と変わらず、真剣な眼差しで 懐かしい本を読んでいる。 その姿がとても愛おしく感じた。 この感情は年々、増してくる。 胸がいっぱいになった僕は、 「アメ玉、よこせ。」と キスをせがんだ。 我ながら、キモいと思った。 丁寧に、拒絶をされた。 Twitter Share Pocket Hatena LINE URLコピー -茜空