青空

光の届かない

光の届かない

深い深い海底で

鯨が唸りを上げる。

難産にも負けず

マイナスの局面から

産まれ出ずる奇跡。

聖も濁もなく

傷跡だらけのありのままで

流れ着いた。

「今」という大地が揺らぐ。

結局は同じメビウスの輪の上の僕等。

罵り合い、呪い合う虚しさ。

その醜い事実も

猥雑な俗っぽさも

心地よい救い。



-青空