星空

現実でないのは。

現実でないのは。

そんなことは。

百も承知で。

君の懐かしい笑顔が浮かんで。

鼻にかかった僕を呼ぶ声が聞こえて。

僕は暗い部屋の

唯一、光の差し込む窓の方に。

手を伸ばしたんだ。

でね。

右眼と左眼と君へ伸ばした左手と

いろいろな条件が重なって。

奇跡のような瞬間が訪れて。

僕の手が〝光の向こう〟へと。

届くような、吸い込まれていくような。

そんな景色が見えたんだ。


-星空