夏
青空と積乱雲のコントラスト
突き刺さる真昼の日差し
屋根を叩く突然の夕立ちと雷鳴
滴り落ちる麦茶のコップの水滴
ラジオ体操の景品
鼻の奥に残るプールの匂い
カブトムシの艶やかな黒、
生温い西瓜の甘さ
ナイターで晩酌をする父の面影
母が茹でてくれた素麺
暑いお盆と祖父母の記憶
草いきれが立ち込める畦道や小川
扇風機に割れる声
遊び疲れた午後の気怠さ
金魚掬いと屋台の裸電球
夜空に轟く大きな花火
カナカナの鳴き声
氷の幟
逃げ水や陽炎や日傘
ラムネ瓶のビー玉
終わらない宿題
みずみずしい一瞬のスナップ
鄙びたる想い出の数々
大人にはもう来ないのだろうか。
永遠に続くかのように思えた夏休み。