茜空

星が散りばめられたように。

星が散りばめられたように。

アスファルトには

砕けたガラスの破片が光っていた。

頑丈なブーツの歩を進めると。

まるで。

悲鳴を堪(こら)えるような。

嗚咽を堪(こら)えるような。

そんな小さな、えもいわれぬ音が。

〝痛みを持って〟響いた。

そうかぁ。

と僕は溜め息をついた。

苦しかったんだね。。。

二十歳(はたち)を迎える春の。

多感な。感傷的な年頃の二人だった。

多少。勝手に。

似ていたような気でいたが。

それ以上に。

彼女はアーティスティックで。感覚的で。

ナイーブだった。

これはキツイわ。

同時に。。。

時を経て。

なお。また。

彼女にフラれた気がした。

(あの頃、時代の流行りの、特有の。

大きな〝うねり〟のようなものがあって。

それで。互いの心に爪を立てるような。

柔らかい呪詛のような。

小さな悪戯心(いたずらごころ)の

一面という伏線はあったとしても。。。)

彼女は僕の〝痛み〟すら感じて。

慮(おもんばか)っていたんだ。

そりゃあ。ツライよな。

彼女の翳った横顔を思い出していた。

どんだけ。鈍感なんだ。オレ。

苦しめて。ごめん。

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時々は。見上げていますか?

あの日と同じように。

ちゃんと。空は広がっているよ。

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君と生きる。

その役目は。永遠に。

僕には与えられることはないのだろうけど。

それはわかっているのだけど。

〝彼女〟には心底。

幸せであってほしいんだ。




-茜空