星空

R2の琥珀色の右眼には。

R2の琥珀色の右眼には。

闇のなかで紫色に光り聳え立つ。

武骨で白い巨大な体躯(たいく)が

映り込んでいた。

沸き立つ血と武者震いを抑え、

ゆっくりと息を飲み、

剣(つるぎ)の切先を喉元に重ねた。

「汝(なんじ)、悪魔の使いかぁーっ!!!?」

「姫君を〝悲しみ〟に幽閉したのは、貴様かぁーっ!!!?」

野太い声はネオン耀く暗闇に虚しく響いた。

何処かで。川の流れる音がしていた。



-星空