茜空

約束。

約束。

〝生〟を乗せた秤の反対には

同じ重さの〝罪〟が有った。

罪は裁かれることを待っていた。

チカチカと火の粉の舞う夜空。

リモコンの〝電源〟を押すように

閉ざされる意識。

あの日。失くしたものは何だっけ?

あの日。握りしめたものは何だっけ?

きらめきのただなか。

この命の最果(さいはて)で。

待ち合わせ。



-茜空