茜空

久しぶりにその街に

久しぶりにその街に降りた。

街は呼吸をし、変わり続けている。

懐かしい街角を歩いていると、

蓋をしていた感情や空想が溢れて

苦しくなった。

僕の知らない彼女は、

どんな生活をし、なにを思っていたのだろう。

行き交う女性に彼女を重ね、

自分のサイテーさをひどく呪った。



-茜空