茜空

迷宮の入り口は

迷宮の入り口は唐突に現れた。

重厚な扉はひんやりと冷たく、

一度足を踏み入れたら

簡単には引き返せなくなることを予感させた。

相反する好奇心と不安が

永遠に混ざり合うことのない

複雑なマーブル模様のように

胸に渦巻いていた。

はてさて。吉とでるか。凶とでるか。

それでも進むしかないようだ。



-茜空