茜空

掠(かす)れた声で

掠(かす)れた声でやっと口から出た

「おはよう」は

白い部屋が吸い込んでいった。

深酒と睡眠不足の頭は

巨大な蛇に

締め付けられるように痛んだ。

あの日、君がついた嘘は

僕をまだ蝕(むしば)み続けている。



-茜空