茜空

拒絶され、

拒絶され、隔離され、幽閉された孤独感。

揺らめく不安定な世界と

目の前に横たわる、

透明な、液体のような、壁。

寒さに手を牽(ひ)かれ、触れてみる。

掌で沸き立つような感触と

広がってゆく、無数の波紋。

シンクロする不思議な調べを響かせ、

上下するパイプオルガンの鍵盤は

やがて。

足元に隆起する階段のように

宙へと続く。

一歩づつ。

惚ける魂と

白に染まっていく記憶。



-茜空