青空

彼は、

彼は、ときの〝支配者〟に云った。

「あなたはわたしを激しく憎んでいる。

もう、それは魔法にかかっているんです。

或いは、あなたは、手が滑って、わたしを殺(あや)めてしまうかもしれない。

でも、〝わたしがいた〟という記憶がある限り、あなたは、その魔法から解放されることはない。

諦めなさい。

わかりあうためにあるのです。

人と人は。」

彼は最後に微笑みかけた。



-青空