茜空

両の掌で

両の掌で掬えるほどの

光を持て余して

その身に翳る冷たい疼き。

相反する感情に

押し潰されそうになりながら

手繰り寄せたのは

それもまた魂の渇き。

一縷の祈りが星空を流れる。

歪んだ時計の針に追われ

辿り着いたのは

孤独という名の虚無の世界だった。

アナタハドコ?

声にすらならない痛みが走る。

永遠の不在。

入れ変わる、鏡の

あちら側とこちら側。



-茜空