「滑稽だねぇ~。」
ピエロは床までありそうなマントを翻して、捲(まく)し立てた。
「お前等、バカか?ひっひっひっひ。
こんな、お人好しだけが取り柄の、勘違いの妄想家の童貞野郎が希代のトリックスターのワケがないだろ。
オレがコイツを利用しただけだ。バカ。
そしてオレも、もう何処にもいない、ただのストーリーテラーに過ぎない。 あの滑稽な騎士物語の続きのストーリーだ。つまり、お前等が言うあの世界的名作文学の〝次の章〟だ。
オレもオレ達も、〝文学だ。〟〝アートだ。〟〝社会システムだ。〟〝時代の生け贄だ。〟と言って、公開処刑された犠牲者の、お前等が云う〝亡霊〟だ。
もう想像が尽くだろう。
ネジは巻かれたんだ。
鳥達は警告し続け、飛び去った。
物語やもっともなエクスキューズがオレ達の命を飲み込んでいったように、もうこの世界ごと呑み込まれたんだ。
お前等がよってたかって、サクリファイスしたように、コントロールできることがバレたんだよ。この世界を。
さぁ。どうする?
いいぜ。また、コイツやこれから先の異端児をプチって潰したって。簡単だろ~。お前等が今までやってきたことだ。相変わらず悪趣味だな。くっくっくっくっ。そうやって繰り返せばいいんだ。取り返しがつかなくなるほど。
さぁ。どうする?
また醜い争いをし続けるかい?
もうコントロールできるんだ。
〝世界の現実〟を〝理想〟に近づけて、加速させる勇気はあるのかい?次のネジを巻く勇気が?
オレは性善説か性悪説か、聞いているのではない。そんなもん、オレには興味はない。お前等、人類がどうしたいか?聞いているのだ。
ひっひっひっひ。くっくっくっく。笑。
さて。どうする?」