星空

〝ジユウ〟

〝ジユウ〟が連れてくる

それぞれの、関わらない、

深い 夜の 底。

ひとりだけ

酔い醒めの 星空の匂い。

追い越してゆく終電が

生温い空気を対流させた。

複雑な風に包まれて、

明日、孤独な風見鶏。

追い抜かれて

置き去りにされて

あたりまえの 

ちゃんとした約束。

ワタシハ ワタシ。

ただ それだけ。

ほんとうに、

それだけ。



-星空