青空

静かな月の夜でした。

静かな月の夜でした。

ピアノの階段を登ると

柔らかな鈍色の雲の上は

蒼白いひんやりした光に覆われ。

ただ降りすさむ静けさと

どこか神秘的な空気だけが

美しい世界のバランスを保っていた。

「ねぇ」と少女は

側に居た、紅い瞳のウサギに語り掛けた。

〝これは。夢?〟

張り詰めた弦楽器の

綺麗な虹色の旋律(ハーモニー)が

やがて〝すべて〟を包み込んだ。

静かな月の夜でした。

-青空