星空

雨上がりの裏通り。

雨上がりの裏通り。

水溜まりの水面につらつらと

複雑な模様が浮かび上がった。

昨夜、のたうちまわった平静は

半径5メートルの現実にリンクして、

徐々に明度を上げてゆく。

狂(くる)おしいほど求め続けた温もりは

他人事(ひとごと)のまま

置き去りにされている。

「ねぇ、」

こちらがわのふちのふちで僕は

世界に話し掛けた。



-星空