茜空

西の空が

西の空が

夕陽に滲むなか

突然のスコールが

頭上を横切った。

激しい雨が身体を打つ。

僕は僕の存在を思い出し

両の腕を広げ

瞼を閉じた。

弾ける雨粒は其処ら中で

キラキラと輝いて、

薄暗い闇のなか

確かに綺麗な虹の橋が見えた。

生暖かいひかりが

身体を染める。

パチリ

指を鳴らす。

瞼を開く次の瞬間、

空は僕に笑いかけるだろうか。



-茜空