星空

蝋燭(ろうそく)の

蝋燭(ろうそく)のゆらめく光は

四角いささやかな部屋の壁に

優しく浸透してゆくようだった。

膨張する。圧が増していく。

光のシャボンが弾ける。

そして。反転。

突然、拓ける世界。光の海の中。

僕を形作っている

〝僕〟というフレームが消える。

有限の世界で響き合う〝ない〟。

〝ない〟への旅立ち。



-星空