星空

絶望のピエロは微笑んだ。

絶望のピエロは微笑んだ。

「苦しいねぇ。」口角を吊り上げて。

とても上機嫌そうな笑いを

堪えているようだった。

「あんただって。そうだろう?」

大切な。大切な。

雛鳥たちを殺されたあの母鳥のように。

あの烏に。敵に。復讐したいだろう?

苦しみや悲しみや怒りに。

身を任せるままに。

それが。野生。大自然ってもんさ。

あんたも。それを。その感情を。

知っているんだろう?

だから。

〝そりゃ。そうだろうな。〟って。

心の中では。わかってしまったんだ。

だから。苦しいんだ。

「じゃあ。何故その刀を抜かない?」

いつまでも。鞘に刀を納めて。

達観した顔で。たった一人で苦しんで。

それで。そのやり方が。

あんたの闘い方か?

くだらねぇなぁ。

そして。心底。滑稽だ。

最愛のものを奪われたんだぜぇ。

そして。そんなお前が。

一番彼女を傷つけたんだ。

「ひっひっひっひっ。

それでも。男か?人間か?」

絶望のピエロは。

天を仰いで。大声で笑い始めた。

「いつまでもつかねぇ。

苦しみに耐えて、怒りを飼い殺して。

お前自身。

おかしくなっちゃたりしないかな?

ひっひっひっひっ。」

暗闇に。絶望のピエロの笑い声は。

いつまでも。響き渡るようだった。


-星空