星空

終電の過ぎ去った

終電の過ぎ去った寂しい駅のホームで

酔い覚めの一人のサラリーマンが

一本のビニール傘で

往年の門田博光さんを彷彿とさせる

スイングを繰り返していた。

あれは絶対、意識していた。

ホームの片隅で、僕はくすっと笑いながら

その同朋の平和な明日を祈った。



-星空