青空

空に抱かれて

空に抱かれて

恍惚と涙が零れた。

どんな感情からも程遠い、

色を持たない涙だった。

全ての感覚は解き放たれて

ただ、ひとつの魂だけが在った。

「有」という世界と

「無」という世界の間で

消え入りそうな意識の一点。



-青空