星空

空に向かって

空に向かって放り投げた

平穏は世界の静寂を破った。


吸い殻の散らばった路地裏で

どんなに喚き叫んでも

指先を擦り抜けたものは帰らない。


「空っぽ」は「空っぽ」のまま

存在価値を増して

秋風は逃れられぬ悲しみ嘲笑う。


毒づいた全てに撥ね付けられ

明け方の歓楽街を歩く。


剥がされたかさぶたに

産まれたばかりの光が沁みた。


ありったけの力で

アスファルトを殴りつけた。


孤独は永遠に消えない。



-星空