青空

碧い空を見上げて

碧い空を見上げて

砂浜に寝転んだ。

打ち寄せる波の音より、

引いてゆく間(ま)が

誰かの寝息みたいで

妙に心地良いな、と瞳を閉じた。

低いところを周る真冬の太陽が

かじかんだ身体を包み込むのを感じる。

今、この世界は僕のもの。

とひとりごちて、

そうではなかった頃の

恋の魔法を苦々しくも、

懐かしく思った。

これから何処に行くの?

風が流れる。



-青空