茜空

物悲しい記憶だけが

物悲しい記憶だけが真実だとして、

そこから派生する細かな心象風景の描写。

それは或いは、或る時はタマシイの慰撫。

それが、それこそが

僕が言葉を紡ぐ。

その〝いとなみ〟の本質か。

そんなことはない、と。

愛されてきた温かい残像が今も、

目の前に湧き出し、騒がしく走り回っている。

そして。。。

すべてがあり、すべてがない。

すべてがなく、すべてがある。

物語の完結。



-茜空