茜空

爪が割れるほど、

爪が割れるほど、

握力がなくなるまで、

縋(すが)りついた時の爪跡が

虚しく残っていた。

そんなもんだ。誰だって。

本当の〝大切〟を失うって。

真っ赤な血の涙を拭うときだって。

それでも、無情に秒針は進む。

〝喪失の螺旋〟は続く。

だったら。。。

どうする?



-茜空