星空

深い深い海のなか、

深い深い海のなか、

くぐもった鯨たちの哭き声。

僕の、身体のなかの、奥底の、

何かが共鳴している。

水のうねりが僕という感覚を

ぐにゃりと曲げ、

すうっと溶けてゆくように

すべての〝壁〟が曖昧になっていった。

永遠の揺らぎのなか。

かげもかたちもなくなって、

なにかとなにかを結ぶ光の因子のように

ただ。在ったことを証明する名残(なごり)。



-星空