青空

昔。偉大なプレイヤーがいた。

昔。偉大なプレイヤーがいた。

夢のような。魔法のような。

パスは人々を魅了した。

少年は彼に憧れた。

彼に憧れてボールを追いかけ始めた。

それが始まりだった。

〝パス〟。

それを成功させ。

周りを魅了したかった。

そのために。

その〝駆け引き〟のカードとして。

様々なプレイを覚え、

幅を広げた。

大好きだったし。

もちろん。努力もしたが。

人よりちょっとだけ。

掛けるほうの数字も大きかった。

上達した。

なんでもできるようになった。

ゲームの中心になり。

試合を操れた。

成長はすれど。

その人の素養は。

その人なのかもしれない。

いい意味でも。悪い意味でも。

彼はその〝輝き〟に見合う

〝何か〟が足りなかったのかもしれない。

仲間に距離を置かれ。

孤立するようになった。

そして。。。今。

始まりは。。。

〝パス〟。

それをしたかっただけなのに。

それがとても遠かった。


-青空