思へば遠くに来たもんだ。
時という流れの風が
冷たい向かい風で
クレパスに逃げ込んだ時も
暖かい追い風で
希望という帆が
はためいた時もあった。
思へば遠くに来たもんだ。
決して一人で
生きてきたなんて
思いあがってはいないが、
時に助けられながらも
僕は僕の足で歩いてきた。
自分のフォームで
行ったり来たりを繰り返して。
馬鹿にされたり
損な役回りになったりしながら。
思へば遠くに来たもんだ。
僕が僕でしかないという不幸と
僕が僕でいられるという幸福と
どちらも同じだけあって、
結局、そんな事の繰り返しだ。
思えば遠くに来たもんだ。