茜空

彼女に会いたいと心から思った。

彼女に会いたいと心から思った。

『約束』

なんでこんなに時間がたつのが遅いのだろう。

同時に。

バランスをとろうとしているのだろう。

辛い経験と消えないトラウマが

高揚するこころを抑え込み、

深く沈み込ませようとしていた。

「浮かれるな。

 お前の人生、そんなうまいことがあるはずがない。お前なんて誰にも愛されない。昔も、そして、これからも。ずっとひとりだ。

 また傷つくし、彼女を苦しめるだけだ。」

もうこころがグチャグチャだった。

苦しかった。

彼女に会いたいと心から思った。


この涙に名前はない。



-茜空