HOME > 茜空 > 茜空 差し込んだ光は 2023年6月9日 差し込んだ光は 部屋の反対側に向かう頃には 閉じた空気に馴染んでいた。 用意された椅子に腰掛けると 静寂に響いていた時計の音も その概念と共に溶けて消えた。 目の前の机には果物が置かれている。 どこか懐かしい、埃っぽい甘い匂い。 視界が霞んで、遠退いていく意識。 暗闇に溢れ落ちる光、一雫(ひとしずく)。 滲み合っていく色。色。。色。。。 浮かび上がる渦巻いた点描。 色褪せた一枚の油絵になっていく。 Twitter Share Pocket Hatena LINE URLコピー -茜空