星空

寒い夜の自画像と

寒い夜の自画像と

オリオンの二重星、リゲル。

デッサンを繰り返してきた

黒鉛に煤(すす)けた手が止まり、

冷ややかな月の光に浮かび上がる

白い肌に見惚れていた。

静寂が〝時〟という概念を飲み込み、

秒針は加速度を増して、中心のない

歪んだ不規則な円を描き始める。

一雫(ひとしずく)の流れ星に

祈りの色を問われた。



-星空