茜空

三日三晩、

三日三晩、

降り頻った雨が止んだ森は。

心地の良い湿った空気と

静謐(せいひつ)な沈黙が

その《時》を、支配していて。

柔らかな僅かな風の動きが

その奥ぶかい深部からの、

不思議な、甘い匂いを運んできていた。


-茜空