青空

一本の向日葵の、

一本の向日葵の、

1ピクセルの

複雑でシンプルな色合いが閉じ込めた、

夏の風。

いつもよりも濃い気がする自分の影の黒に

たった一点の穴が空いて、

世界中のありとあらゆる色を

渦を巻きながら、飲み込んでしまった。

入れ替わる、内側と外側。

灼けたアスファルトから上がる

陽炎の揺らぎ。

頭上に浮かぶ、真白い真昼の月。

激しく眩暈がした。

視界はチカチカと白黒の反転を繰り返した。

消えない、

あの夏の記憶。



-青空