茜空

その朝、二度寝の幸せ

その朝、二度寝の幸せについて考えながら

TVの前、気象予報士の棒を追う幼いロシナンテII世を見ていた。

日頃の運動不足が最近、お腹周りに現れ始めている。

きっと、こんな僕に大それたことはできない。

僕の人生はきっとこんなもので、

奇跡的な一勝も望めないのだろう。

僕はロシナンテII世の可愛いさにデレデレしながら、再び目を閉じた。

人生における勝利とはなんだろう?

僕は日頃から生きるとは絶対に勝てない負け戦で、それでもなんとか引き分けようとみんな必死で頑張っているのだと思っている。

それ以上、

頭の悪い僕にはきっと永遠にわからない。

ただ、誰かに望まれて、万が一そんな舞台に立てるのなら、よく考えなければいけない。

それは何故、

誰の為の勝利なのか?

大体にして、それ自体、本当に勝ちなのか?

決して調子に乗って、浮かれている場合ではないのである。

こんな僕でも奇跡的な一勝があれば…の話だが、

勝ったときこそ、本当のその人が試されるのかもしれない。

僕は怠惰な二度寝に落ちそうになりながら、そんな無駄なことを思っていた。

永遠に来ない勝利よりも、とりあえず運動をしなければ…。

「まっ、明日からにしよう。」

その朝、僕は二度目の眠りに落ちた。



-茜空