茜空

「寄り道しない?」って。

「寄り道しない?」って。

君の街の三つ前の駅の改札を出て。

二人歩いた廻り道。

夕暮れの高架下で。

僕の前を凛々と歩く君の長い髪が

ふわりと風に遊んだのを

背中から射す光の中。

ぼんやりと見ていた。

あの後ろ姿が焼き付いているんだ。

君は僕の人生を楽しくさせる天才でした。




-茜空