星空

「どれだけの、人を。

「どれだけの、人を。

 どれだけの、鬼を。

  喰いなすった?

あんたも。その〝道〟を行くものなのだろう?

獣(けもの)の臭いがする。

 どれだけの。

  或いは。地獄を。極楽を。

   見なさった?

 あんたという。災厄は。

 この世に。なにをもたらすのかねぇ。」

掠れた声で。そう言いながら。

それでも。その老婆は。

歩き疲れていた私に一杯の水をくれた。


-星空