「いろいろあったんだね。本当にいろいろ。」
あの喫茶店、あれからすぐなくなったね。
もうあそこからの景色も見れない。
空の写真集、ありがとう。
いっぱい助けられた。
もういいよ。別に怒ってないよ。
そっちの方こそ大丈夫?傷ついてない?
ごめんね。わかってあげられなくて。
僕じゃなかったんだね。役不足。
勝手に思い込んで自惚れてた。
君の笑顔にある翳りを晴らせたらなんて。
証明できたらなんて。
生きてることもそんなに悪くないって。
そんなの僕じゃなくても。
君は充分にわかってるね。
ごめん。或いは。
鈍感な僕こそ君の
苦しみの、憎しみのカタチだったのかな?
わかるよ。
僕が君だったら、
僕もそうしてたかもしれないから。
人間、みんなそんなにかわんないよ。
ただ、最後に君を傷つけさせて。
〝ちゃんと好きだったんだ。〟
記憶もだいぶというか、殆ど薄れてるし、
あのころも恋に恋してるとこがあって
君のほんとを見てたか自信ないし、
今の君と違うのも
アタマではわかってるし、
浦島太郎みたいで滑稽なのも自覚してる。
それでも、まだ、すこし
〝愛しています。〟
こういうことをなんのてらいもなく、
言ってしまうとこが嫌われてるとこなのにね。
ごめん。
「あなたに逢えてよかった。」